居酒屋

大衆居酒屋が一般的だった

居酒屋は古くは「赤ちょうちん」として営業しているお店のことをさしており、主に焼鳥や揚げ物、魚料理など限定的なメニューとお酒を出しつつ大勢でワイワイ賑やかに営業していくという大衆居酒屋が一般的でした。

そのため営業形態もほとんどが個人で行う小さなお店であったのですが、1900年代の後半頃からチェーン系の居酒屋が台頭し始め、現在ではすっかりシェアを逆転させています。

なお日本で最初にできた居酒屋チェーンは1966年開店の養老乃瀧とされています。
養老乃瀧が売上を伸ばすところを追いかけ、続いて庄や・つぼ八・白木屋・天狗といった有名居酒屋が続々と登場して都内などを中心に店を増やしていきます。

これらはチェーンとして他店舗で同じメニューを取り扱うようにするとともに、それまでの個人系居酒屋のような限定的なメニューではなくより幅広いジャンルの料理を提供するふうにシフトしていきました。

チェーン系の居酒屋のことを「総合居酒屋」ということもありますが、中でもつぼ八・村さ来・天狗あたりのお店はいち早くそうした品目の多いメニューというところで他社との差別化を図っていき、店内の雰囲気も明るいものにすることで若い男性だけでなく女性客や他の年代のお客さんをどんどん獲得していきました。

ただしそうしたチェーン系居酒屋のピークは1992年ころまでとなっており、以後少しずつ居酒屋全体の売上は減少傾向にあります。

かつては一兆円を超える規模であった居酒屋業界も、2012年にはついに9900億円台と1兆円を割り込むことになってしまいました。

多くの要因が重なり居酒屋業界も厳しいものに

これは不景気により外食全体が控えられる傾向になったことに加えて、悪質な飲酒運転が増加したことによる厳罰化、また若者が昔ほどアルコールを好まなくなったということなどが複数の打撃となってきたことによります。

居酒屋

それらの居酒屋業界の厳しい現状を反映するように、現在は居酒屋業界同士で低価格化競争を繰り返すという身の削り合いをするようになってきています。

なんとピーク時に比べて居酒屋における1品メニューの平均価格が約4割もダウンしているという現状もあり、あまりにも下げ過ぎた単価を補うべく各店舗で厳しい労働条件が敷かれているというケースも見られます。

しかし中には人的な管理によってそうした価格競争に対抗をするのではなく、それまで人が行っていた注文をタッチパネル式にしたり、注文を受けてから運ぶまでの流れを管理しよりよいシステムにしたりといった工夫によって経費削減を可能にしている企業もでています。

今後も居酒屋産業ではかなり厳しいしのぎあいが続くことが予想されていますが、同時に新しいサービス内容も次々に生まれるようになってきています。

お酒を飲めない子供と一緒に入れるようにするなど、お酒の提供よりも料理の方に重きをおいたファミリーレストランとしての利用を促進している居酒屋も出ており、利用客の年代を広げる傾向になっていることも特徴です。