ホテル

料理人やスタッフ憧れの場所

今大きく揺れているのがホテル・レストランという外食業界です。
かつてホテル・レストランといえば、料理人やスタッフの憧れの場所であり、有名なホテルで勤務をした経験を持つということで、その後のキャリアに大きく弾みをつけることができたほどでした。

料理

それは一流ホテルになるほど訪れる人に対してのサービスを厳しく教育されることになっており、料理もサービスも他の一般的なレストランにはないような最高級のものを提供できるという自負のもとに行われてきたはずのことです。

ところがそんな誇りもどこへやら、2013年10月には阪急阪神ホテルズが運営するホテルチェーン内のレストランで、使用している食材について虚偽表示があったことが発覚しました。

具体例をあげるときりがないほどですが、「鮮魚」といいながら冷凍ものを出していたり、国内の名産地を記載していながら全く違う地域のものを使用していたり、「キャビア」と言いながらトビウオの卵を使用していたりと、まさにやりたい放題の虚偽記載となっていました。

この問題を重くみて政府も厳重注意をするとともに、今後はこのような記載がないようにするという法律の整備に乗りだしています。

レストラン経営の厳しさが要因

ですがこれは単純に虚偽記載をして経費を浮かせようという考えによって安易に行われたものというだけでなく、ホテルにおけるレストランチェーンの運営がかなり厳しいものになっていることを裏返しているものと見ることができます。

かつては上記したように一流ホテルの中には一流のシェフたちがおり、数人のチーム体制で毎回の料理を作っていくという方法がとられていました。

ですがチェーン系のホテルやレストランが増えたことにより、調理は全く別の加工工場などで流れ作業的に行い、それぞれの店舗では届いたレトルトなどをあたためて出すだけといった方法が多くとられるようになってきたのです。

つまり、現場にいるシェフが自ら材料を選定して調理をしているということはなく、厨房スタッフの全く知らない本部のバイヤーがどこかから材料を仕入れ、それを加工工場で調理するという、プロ不在の環境ができていたということです。

そのため、問題が発覚したあとも誰がどういう経緯でこうした虚偽をさせるようになったのかがなかなかはっきりせず、結局根本的な解決策が見つからないまま事件が収束に向かってしまったということになります。

そのことから考えると、一流ホテルと言われるようなところでさえ、きちんと修行をしたシェフを置くということなくパートやアルバイトの人材に盛り付けのみの調理をさせているというような業界の裏側が浮き彫りになってきます。

ただ全てのホテルチェーンがそうだというわけではなく、きちんと自社に厨房を持って営業をしているところもあります。
もしこれから料理人として修行先を目指すなら、ホテルブランドだけにとらわれるのではなく実際に勤務しているシェフについて調べておいた方がよいでしょう。